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公立甲賀病院の移転新築整備事業

 公立甲賀病院は、高品質低価格の考え方を原則とし、身の丈に応じた建築投資額を行った結果、当初の建築費見積り145億円を約90億円まで圧縮することができた。本稿では、その背景と経緯についてレポートする。

機能的•高品質•適正価格の新病院建築へ

公立甲賀病院院長  冨永 芳德

はじめに

 公立病院の経営は、相次ぐ診療報酬の引下げ等に より非常に厳しく、公立甲賀病院と同規模病院の平成19年度の経常収支は約80%が赤字決算の状況である。この要因の一つに、公立病院の建築費用が割高で、減価償却費が民間病院と比べ約4.0%高いことが挙げられる(表1)。 

 

当院本館は、築後45年が経過し、平成8年より新病院整備の検討を開始したが、.事情により、当初計 画した平成21年3月の移転新築が不可能となり計画を見直すこととなった。その際出会ったNPO法人医療施設近代化センター(現在の健康都市活動支援機構)の指導の下、現在、21世紀に相応しい機能を備えた高品質かつ適正価格での移転新築に向けて実施設計を進めているところであ る。これまでの経過について報告する。

病院概要と建替え計画

 公立甲賀病院は、甲賀市(約9万4千人)、湖南市(約5万4千人)(2009年6月1日現在)が設立する滋賀県南部に位置する甲賀保健医療圏の中核的病院である。国民健康保険病院組合立で、一般病床394床、療養病床44床、感染病床4床を有する。圏内6病院、60医科診療所、37歯科診療所と連携しながら開放型病床を利用し、がん診療連携拠点病院の指定 を受け、地域完結型の医療を提供している。 

 

当院は昭和14年6月、現在地に24ヵ町村の産業組合病院として設立された。経営母体変遷(農業協同組合等)後、昭和27年10月に甲賀郡国民健康保険団体連合会に経営移譲され、昭和35年10月に当時の甲賀郡7町による甲賀郡国民健康保険病院組合甲賀病院となり、昭和56年4月、公立甲賀病院と名称変更が行われ現在に至っている。

 

本館(A棟)は昭和39年3月、中央館(B棟)は昭和50年6月、西館(C棟)は昭和56年3月、新館D棟)は平成元年1月に完成された。改修は重ねてき たが、D棟以外は現在の耐震化基準がクリアされていない。また、数次にわたる増築の結果、外来・病棟・検査等の各部門の配置が分散し、通路も極めて複雑でわかりにくく、施設全体として統一性に欠け、業務運営上多くの,問題点を抱えている状態で、医療施設としての対応能力がほぼ限界に来ていると考えられた。さらに、社会の高齢化、疾病構造の変化、医学•医療の進歩、医療機器の進歩・普及は著しく、住民ニーズもますます多様化•高度化する中で、 現在の施設•設備で新規事業を構築しながら医療サービスを提供していくことは、建物の面積不足•老朽化等から困難であり、施設・設備の整備が必要と判断し、新病院整備事業が進められることとなった。 

移転新築と基本3項目の決定

 施設の中でも本館(A棟)は建築後45年が経過しており、大型医療機器を使用する昨今の医療サービスを提供するには狭隘であり、アメニティの面でも住民•疾病ニーズに応えられなくなっていた。周囲の公立・公的病院、県内7医療圏の各中核的病院のうち新築整備されていないのは、当院と湖西保健医 療圏の2病院のみである。 

 

また、甲賀保健医療圏は、患者の流入よりも流出 が多くなっているが、一方で当院の立地は都市部ではないこともあり、車で来院する患者は年々増えて きていた。しかし現状の病院敷地は約18,510㎡、約750台(内借地分約530台)分しか駐車場スペースがなく、さらなる駐車場整備の要望が強いが、現在地では、それ以上は確保することはできなかった。 

 

さらに、耐震化整備には多くの費用がかかる。現病院での耐震化よりも新病院建築のほうが経済的かつ効果的である。加えて、敷地の狭い現病院での建て替えは、入院•外来患者にも迷惑をかけ病院経営 にも多大な影響が考えられる、といったことなどか ら、移転新築が望まれるとの結論に至った。そして、郡内助役会7名による甲賀郡国民健康保険病院組合運営調査会で、平成9年5月から約1年間かけて検討がされ、平成10年6月に「公立甲賀病院の将来像」が病院組合管理者会に報告。その後、7名の町長からなる管理者会や病院組合議会で検討が重ねられ、平成14年12月に病院組合議会において、 

 

①開院時期:平成21年4月を目標、②建設地:水口町虫生野地先(甲賀看護専門学校の周辺)、③現病院跡地は更地にし適切に処分するとの基本3項目が議 決された。 

マスタープラン完成も、事情により中断、開院目標、建設地が変更に

 平成14年7月、自治体病院施設センターによるマスタープランに基づき、当院移転新築整備事業の概要がまとめられた。建築場所は、甲賀市水口町虫生野地先で、敷地面積77,000㎡以上(法面を除く)、地上9階塔屋2階の基壇型免震構造で、延床面積42,640㎡(l床当たり約79㎡)、予定建築費199億円、総病 床数538床(うち一般病床379床)、駐車場1,250台整備というプランであった。 

 

平成15年4月に提出された病院整備懇話会の基本 コンセプトは「ハートフル甲賀〜愛、やさしさあふれる甲賀病院〜」であり、それらに基づく公募型プ ロポーザル方式により、基本設計業務を株式会社佐藤総合計画に委託することが決定され、平成17年3 月に基本設計が完成した。

 

この第1次の基本計画は、①安全性•信頼性の確保、②設備の一元的管理の実現、③快適環境と省エネルギーの両立、④操作性•利便性の向上、を基本方針に掲げ、敷地面積100,000㎡、延床面積37,650m㎡(1床当たりの面積約80㎡)、ベッド数468床(ICU、CCU、HCU、緩和ケア、回復期リハビリ病床、療養病床、感染病床、結核病床を含む)、27診療科、1 床当たりの建築単価約3,100万円、1㎡当たりの単価38万5千円、予定建築費145億円以内(造成工事費や 医療材費は除く)というものだった。 

 

移転新築予定地周辺地区の複数の集会所で行われた説明会には、市長をはじめ関係者がたびたび訪問し、地域住民の理解を得る努力を重ねた。しかし、 移転候補地の一部の地権者の理解が得られず、平成17年11月、用地取得を断念せざるを得なくなった。 

 

その後、甲賀市長や湖南市長の理解と努力の結 果、平成18年8月の正副管理者会議において「甲賀 市水口町松尾地先の市有地」を新たな移転候補地とすることが確認された。そして平成20年6月、公立甲賀病院組合議会において基本3項目のつち2項目、①開院時期:平成24年度、②建設地:甲賀市水口町松尾地先、とする変更議案が議決された。

医療施設近代化センター(現在の健康都市活動支援機構)との出会い

 計画を見直すこととなったちょうど平成17、18年頃、公共工事の発注において談合が行われ工事費が高止まりしているとの記事が新聞紙上でたびたび報 道された。公立病院における建築費も民間病院と比ベ2〜3倍高いと言われた。もちろん、ホテルのよ うな豪華さがコスト高を招いていた側面もあるが、建築完成時は満足できても、診療報酬の引下げが相次ぐなか、完成後の返済に苦しむのは設置自治体や住民、そして病院職員である。常々考えてきたことではあったが、何としても返済可能な身の丈に見合った病院建築とすべく、知恵を出さねばならないと 考えた。 

 

そうした中、「求めよ、さらば与えられん」の言葉どおり、平素より御指導いただいている東京医科歯 科大学大学院の川渕孝一教授が、NPO法人医療施設近代化センター(健康都市活動支援機構)の理事をしておられること、そのセ ンターの設立目的というのが「地方自治体、医療法人、社会福祉法人及びその他の者が行う医療施設及び運営についてコスト抑制の見地から調査研究及び普及啓蒙を行うことによって、国民全体がより良い医療を受けられるよう図り、もって保健、医療及び福 

祉の増進並びに社会教育の推進に寄与すること」であることを知った。そこで川渕教授にお願いし、東京でセンターの池田専務理事、岩堀常務理事、吉村常務理事、有村監理技師、橋本事務局長とお会いしたところ、私たちの思いをくみ取っていただき、新病院建築整備事業についての設計・建築の指導を快く引き受けていただくことになった。 

 

平成20年7月、センターが指導し建築中だった名古屋市の社会福祉法人聖霊会聖霊病院に、正副管理者、病院組合議会議員、病院職員らが見学研修に赴いた。そこで聖霊病院の川原理事長、水野院長らから、同院事業について丁寧に説明いただいた。300床の同院は現地建て替えで、当初の事業費は100億円、工期10年との案が提示され、とても建築不可能と思われていたが医療施設近代化センター(健康都市活動支援機構)の指導により、事業費75億円、工期6年となり、見学時1号棟(ヨゼフ館)が完成していた。水野院長のお話では、建築費や機能性について十分満足しているとのことだった。聖霊病院の見学研修によって、当院の病院建築に大きな希望が持てることとなった。

移転新築整備事業の概要

 平成20年8月、基本,設計変更業務について公募型競争入札を行い、株式会社内藤建築事務所と契約締 結した(図1)。そして、「ハートフル甲賀〜愛、やさしさあふれる甲賀病院〜」を基本コンセプトとし、地域中核病院を担うにふさわしい機能を有し、①機能的で適正価格の病院、②地域住民•患者に安心・信頼されるアメニティの高い病院、 ③職員にとっても働きやすい病院、④地域包括医療の拠点となる病院、⑤救急・災害医療の拠点となる病院、⑥小回りのきく高度な医療の実践病院、⑦高齢者医療・リハビリテーションの充実を目指す病院、を考えている。 

 

病院組合の正副管理者や議会議員のご理解の下、公立甲賀病院整備検討会、 院内建築幹部会、甲賀市の準備室、院内の準備室が密接な連携を取りながら、センターの指導の下、内藤建築事務所によって平成21年3月に基本設計の変 更業務が完了した(図2〜4)。

 

平成21年4月には地元自治区に基本設計内容を説明し、新病院の整備方針について了承いただいた。医療制度改革が進むなか、医療提供体制も生活習慣病予防、地域連携、在宅医療の推進が柱となる改革が進められ、病院の平均在院日数も短縮化されてきている。当院も、21年4月よりDPC対象病院となり、今後さらに在院日数の短縮が予測されることから、第1次基本計画時の病床数468床から413床へとダウンサイジングすることが決定。敷 地面積約54,000㎡、建築費90億円以内、延床面積約 31,000㎡、総病床数413床(1床当たり約75㎡) 、1㎡当たりの単価29万円、1床当たりの単価約2,200万円、診療科目29診療科、外来診療棟3階建、入院病 棟5階建の分棟型免震構造として、駐車場は1,250台 とのプランが決定した。 

 

そして新病院の経常収益が90億円前後と考えられることから、90億円以内での建築が適正であるとの医療施設近代化センターの指導の下、内藤建築事務所から、建築設計上のさまざまなアイデアが出された(表2、前頁)。第1次基本設計時の、建築費145億円、1床当たり約3,100万円、1㎡当たり約38.5万円と比較すると、格段に安価な建築費となることをありがたく思っている。 

 

実施設計ならびに工事監理業務についても公募型競争入札の結果、株式会社内藤建築事務所と契約締結することとなった。 

病院組合の正副管理者や議会議員の指導の下、施設整備担当参与も新たに就任していただき、整備検討会、院内建築幹部会が連携しながら、内藤建築事務所による院内ヒアリングや実施設計が進んでいる (図 5)。

 

電子カルテを含めた医療情報システムの整備については、センターの研究員でもある広島国際大学宇田淳教授による指導を得て、新病院開院1年前までに稼働する体制で推進している。

おわりに

 公立病院の経営は非常に厳しく、平成19年12月に総務省から、①経営の効率化、②再編ネットワーク化、③経営形態の見直しを柱とする公立病院改革ガイドラインが示された。経営を圧迫している一つの要因が、高い建築費による減価償却費の高さが挙げられている。 

 

当院整備事業は、当初第1次計画で候補地断念との事態に直面し、新病院完成は3年以上遅れることとなったが、正副管理者や病院組合議会議員のご理解と指導の下、両市の担当者や病院職員の努力で、21世紀に相応しい機能的で高品質かつ適正価格の新 病院が建築できることとなった。甲賀•湖南両市および後に続く病院職員の過度な負担が軽減できると考えられることは大変ありがたく思っている。NPO法人医療施設近代化センター(健康都市活動支援機)に感謝申し上げて、当院移転新築整備事業の中間報告とさせていただく。

新病院完成について ~NPO 法人医療施設近代化センター(健康都市活動支援)への感謝を込めて~

公立甲賀病院 名誉院長/特別顧問 冨永 芳徳

 公立甲賀病院の新病院竣工式が多数の来賓の御臨席の下、平成25年3月23日に挙行された。新病院設計・施工に多大なるご指導をいただいたNPO法人医療施設近代化センター(現在の健康都市活動支援機)に深甚なる謝意を表する。

 

 平成8年に「公立甲賀病院総合発展計画試案」が作成され、平成14年7月、自治体病院施設センターによるマスタープランに基づき、整備の概要がまとめられ、病院組合議会において移転新築の候補地を「水口町虫生野地先」とする整備事業が議決され、基本設計まで行われたが、移転候補地の一部地権者の理解が得られず、当初の候補地を断念し、平成20年6月の組合議会において「甲賀市水口町松尾地先の市有地」を新たな移転候補地とすることが議決された。

 

 公立病院の病院建築費は、民間病院と比べ格段に高いのが常識で、そのことが公立病院の経営を圧迫している大きな要因となっているのが実情である。公立甲賀病院では、何としても返済可能な身の丈に見合った建築費用にすべく知恵を出さねばならないと考え、東京医科歯科大学大学院教授・川渕孝一先生から、NPO 法人医療施設近代化センターをご紹介いただき、新病院の設計・施工の指導を快く引き受けていただくことになった。

 

 新病院の整備に際しての費用削減方策として、①造成工事を含め建築時の掘削残土を再利用し敷地外への搬出量を可能な限り少なくした。②免震構造の各階の高さは必要最小限とし、経済的な構造スパンを採用した。③リニアック棟は別棟とし耐震構造で建築した。④高価な院内物品搬送機械の採用はせず、また、ビルマルチエアコン方式を採用し、空調関連工事費や面積を少なくした。

 

 その結果、病床数413 床、敷地面積56,000㎡、駐車場台数1,250台、免震構造で建築費約89億円、1㎡当たり建築単価26万円の21世紀に相応しい、①機能的で適正価格の病院、②地域住民・患者が安心でき、信頼されるアメニティの高い病院、③職員にとって働きやすい病院、④地域包括医療・ケアの拠点となる病院、⑤救急・災害医療の拠点となる病院、⑥小回りのきく高度な医療の実践病院、⑦高齢者医療・リハビリテーションの支えを目指す病院――として新病院が完成した。

 

 超高齢社会に突入した日本では、今後、高度経済成長は困難であり、診療報酬の大幅なプラス改定は期待できそうもない。これからの公立病院は、総務省の公立病院改革ガイドラインに示されているように、①経営の効率化、②再編ネットワーク化、③経営形態の見直しによる経常収支の黒字化――が喫緊の課題であり、高品質かつ適正価格での病院建築は必須と考えられる。このような点から、今回NPO 法人医療施設近代化センターの指導を受けられたことは誠に幸運であったと考えている。これから、地域の中核的病院として、また、国民健康保険直営の病院として、さらに質の高い保健・医療・介護・福祉サービスを提供し、甲賀・湖南両市民の健康と安心を守る地域づくりに貢献していきたい。

移転新築した新病院の経営について

公立甲賀病院事務部長 望月 繁和

早期の黒字化を目指す

 2013(平成25)年4月1日、地域住民が待ち望んだ公立甲賀病院の新病院が、滋賀県甲賀市水口町松尾地先にて移転開院しました。NPO 法人医療施設近代化センター(現在の健康都市活動支援機)により、新病院稼働後における年間の総収入予定額に匹敵する(身の丈に応じた)建築費として、90 億円以内の投資額を提示願い、設計・監理者や施工業者のご理解をいただく中での建築工事でした。 

 

 基本設計を進めていた当時、近隣の公立病院における建築単価は40万円/㎡前後でした。同時期の民間病院の建築事例においては25万円前後/㎡の金額と聞いています。しかし、完成した両者の病院に大きな差がないように感じ、建築工事費の違いに病院長も疑問を持っていました。

 

 基本設計完成後に、医療施設近代化センターのご指導を受けることになり、基本設計変更業務や実施設計において、身の丈に応じた新病院整備事業に方向転換することができました。 

 

 さらに、21世紀に相応しい甲賀保健医療圏(圏域内の人口:約15万人)における中核的な公立病院として、医療機器の整備事業費に約25億円や電子カルテシステム整備事業費に約10 億円を加え、すでに125億円もの投資額となっています。この移転新築整備事業費の主な財源は、企業債(起債)です。今後30年間にわたり元利均等償還が必要となります。既存病院の解体費用等を含めると、総額160億円もの巨額な移転新築整備事業です。

 

 医療施設近代化センターのご助言では、新病院を整備された民間病院では、初年度から健全(黒字)経営を達成されていると伺っています。当院でも、早期の黒字化を目指しています。例えば、平成25年度から減価償却費が約11億円に急増します。旧病院当時の減価償却費は、約3億円でしたので、約8億円の費用増となります。新病院効果として紹介率の向上や、新規の患者さんのご利用者数の増加も期待できるものの、黒字経営達成には相当な苦労が伴うことを肝に銘じていきたいと考えています。アメーバ経営と接遇改善を重点に

 

 当院では、3年前からアメーバ経営手法に取り組んでいます。病院内を最小単位に区分し、各部署が独立採算を目指す仕組みです。病院職員に病院経営の数字を強く意識させるために、時間当たり付加価値(収入、費用、労働時間の3要素から算出)の指標を用いて、効率化と質の向上を目指すPDCAの取り組みです。

 

 本稿を記したのは新病院稼働後20日前後の時期です。新病院への入院患者移送を安全に実施するため、平成25年3月中旬から止むを得ず入院患者数を制限しました。その影響から、新病院における直近の病床稼働率は、約50%の状況です。やがて新病院で本来の入院患者数に戻った時に、病院職員から「忙しくなった」と言われることを懸念しています。

 

 また、薬剤師の病棟業務を支援するために、病棟の各階にサテライトファーマシーを整備しました。この施設の本格的な稼働は、薬剤業務を再編する都合から次年度以降となりそうです。投資額の早期回収を目指し、取り組み方を考える必要があります。

 

 さらに外来患者数は、開院当初の混乱を回避するために予約患者数を制限しており、想定した外来患者数の80%程度の稼働状況となっています。新病院では、①無人の再来受付装置から有人受付方式への変更(複数のブロック受付の採用)、②医療費自動支払機の新規導入、③院外処方せんの全面導入など外来患者さんにも大きな変化でありました。比較的高齢の患者さんが多く、新しい病院施設での戸惑いを感じている方もおられます。そのため、新病院施設の案内役として臨時に病院職員を配置し、対応しています。

 

 新病院の整備にあたり、高品質低価格の考え方を原則とし、身の丈に応じた建築投資額などを医療施設近代化センターからご教示いただき、感謝しています。今後は、新病院施設に相応しい病院職員の接遇改善がポイントになると考えています。皆さまからのお知恵をいただき、アメーバ経営手法を基本に、地域包括医療・ケア(国民健康保険診療施設の共通理念)の充実と実践に努めていく所存です。